2022年4月13日

NFTの転売益は譲渡所得として課税されることが明確に

 最近よく耳にするNFT(非代替性トークン)ですが、NFTに投資して転売益が発生した場合に、どのように課税されるのか今まで明確ではありませんでした。

 この点について国税庁は、令和4年4月1日にタックスアンサーで「NFTやFTを用いた取引を行った場合の課税関係」を公表して、原則として譲渡所得して課税されることを明確にしました※1

 ビットコインなどの暗号資産取引により生じた利益は、原則として雑所得として利益の全額が課税対象となり、また、損失が出ても他の所得との損益通算は認められません。一方、総合課税の譲渡所得であれば50万円の特別控除がある上に、所有期間5年超であればその2分の1が課税対象となる取扱いがありますから、NFT投資家にとっては朗報です。但し同タックスアンサーでは、NFT投資で損失が出た場合における取扱いには言及がありません。個人的な見解としては、「趣味、娯楽、保養又は鑑賞の目的で所有する資産(所令178①二)」に該当して、その譲渡損を他の所得から差し引くことは認められない場合が多いものと考えます。

 暗号資産は、資金決済に関する法律において支払手段として定義されているものであり、一方NFTはより資産としての性格が強いことから、上記のような課税関係で整理されたのではないでしょうか。

2022年4月13日 (担当:平野和俊)

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※1 NFTやFTの譲渡が、営利を目的として継続的に行われている場合は、譲渡所得ではなく、雑所得または事業所得に区分されます。

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