2021年8月13日
インボイス制度導入で注目される古物許可、宅建免許
令和5年10月1日から、消費税の仕入税額控除の方式としてインボイス制度が導入されます。現在は、消費者や免税事業者から購入しても仕入税額控除の適用を受けることができますが、同日以降は原則として、インボイス(適格請求書)の発行ができない消費者や免税事業者から購入しても仕入税額控除の適用を受けることはできません※1。
従って今まで、消費者である個人から中古車や建物を仕入れて、これを転売していた事業者は、インボイス制度導入によって仕入税額控除を受けられなくなる(消費税の納税額が増える)ことが予想されます。しかし、政策的な配慮なのでしょうか、下記の場合にはインボイスの交付がなくても、一定の事項を記載した帳簿を保存することで例外的に仕入税額控除が認められます※2。
(1)古物商が適格請求書発行事業者でない者から棚卸資産である古物を取得する取引
(2)宅地建物取引業者が適格請求書発行事業者でない者から棚卸資産である建物を取得する取引
どちらの場合も対象資産は「棚卸資産」に限定されますので注意が必要です。また、古物営業の許可や宅地建物取引業の免許を有さない事業者にはこの特例はありません。施行日まで余裕がありますので、転売事業者は免許取得も含めて検討したほうが良いでしょう。
![1](http://www.u-ap.com/report/images/vol36/image_vol36_2.gif)
※1 一定の期間は、仕入税額相当額の一定割合を仕入税額として控除できる経過措置が設けられています。
※2 これ以外にも3万円未満の公共交通機関による旅客の運送など、一定の場合にインボイスがなくても仕入税額控除が認められます。
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