海外移住の時期と住民税・事業税
海外移住(出国)の時期を年末から年始の間で検討しているのであれば、住民税の点で年末までに出国したほうが有利です。個人の住民税は、その年の1月1日に日本国内に住所がある個人に対して課税される税金ですから、例えば平成25年12月31日までに出国した場合には、平成26年1月1日に日本に住所がありませんので、平成26年分の住民税を納める義務はありません。ここで、住民税は前年の所得を課税対象とするので、平成26年分の住民税というのは、平成25年中の所得に対する住民税のことです。つまり、たまたま多額の所得が発生した場合には、その年の年末までに出国すれば、その所得に対して住民税は課税されず、所得税だけ納税すれば良いということです。
さて、それでは事業税の取扱いはどうなっているのでしょうか。事業税も住民税と同様に「前年の事業の所得」を課税の対象としていますが、納税義務者は住民税と異なり、単に「事業を行う個人」とされていて、1月1日の住所は関係ありません。前記の例で平成25年12月31日までに出国した場合でも、平成26年分事業税(平成25年中の所得が課税対象)を納税する義務はあるようです※1。個人の事業税は、「人」ではなくて「事業」が対象となる税金なので、住民税とは取扱いが異なるというのが当局の見解です。
サラリーマンには縁のない事業税ですが、一定の個人事業主(不動産貸付業など)は所得(一定の控除あり)に対して5%※2の税率で課税され、決して少ない負担ではありません。年末までに出国した場合でも、節税になるのは住民税だけで、事業税負担はあることをお忘れなく。

※1 日本国内に恒久的施設(事務所など)を有して事業を行った部分が課税対象になると考えられます。また、年の中途で事業を廃止した場合には、事業廃止後1月以内の申告義務があります。
※2 5%は標準税率で、事業の種類によっては3%や4%となります。
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