2013年1月30日

外国籍を利用した贈与税の課税回避が封じられる
~平成25年度税制改正大綱より~

 親子で海外に移住して5年経過すると、日本国外の財産について、日本の相続税・贈与税は課税されませんが、親が海外移住できない事情がある場合には、このスキームを実行することはできません。しかし例外として、子供(相続人・受贈者)が日本国籍を有していない場合には、親(被相続人・贈与者)が居住者でも、かつ、子供が非居住者となってすぐでも、日本国外の財産について相続税・贈与税は課税されません。

 平成25年度税制改正によりこの例外規定が見直されます。平成25年4月1日以後は、子供(相続人・受贈者)が日本国籍を持っていない場合でも、親(被相続人・贈与者)が居住者であれば、日本国外の財産についても、相続税・贈与税が課税されます。

 それでは外国籍を利用する贈与スキームはまったく意味がなくなったのでしょうか?子供が日本国籍を持っている場合には、親子で海外に移住して5年経過するのを待って贈与しなければなりませんが、子供が日本国籍を持っていなければ、親子で海外移住してすぐに贈与することが(理屈の上では)可能になります。

 今回の改正で、5年待たずに贈与したい場合には、「親子で海外移住して、子供は日本国籍を捨てる」ことが要件になったということです。

2013年1月30日 (担当:桑田洋崇)

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