2013年1月30日

役員向け私募債の総合課税化と国外財産調書制度の改正
~平成25年度税制改正大綱より~

1.同族会社の役員向け社債利子が源泉分離課税から総合課税へ
 社債利子の課税方法は、公募・私募の区別なく、20%の源泉分離課税とされていることから、総合課税とされる貸付金利子や給与を避けて、社債の利子として受領する節税スキームが従前から実行されていました。

 平成25年度税制改正により、平成28年1月1日以後に同族会社が発行した私募債の利子で、その同族会社の役員等(詳細は不明です。)が支払いを受けるものは総合課税の対象となります。古典的な節税スキームがまた一つ姿を消すことになりました。平成27年12月31日までに発行される私募債は対象外ですから、まだ当面は大丈夫ですし、駆け込み発行が行われるかもしれません。

2.国内の証券会社で管理される外国債等が国外財産調書制度の対象外に
 国内の証券会社の支店等の口座で管理されている外国債等の外国有価証券は、相続税法上の国外財産に該当することから、国外財産調書制度の対象財産とされていましたが、制度の趣旨にそぐわない報告義務であることから、国外財産調書制度の対象外とされました。

 また、国外にある証券会社の支店等の口座で管理されている日本国債・日本株式などの国内有価証券は、相続税上の国内財産に該当することから、国外財産調書制度の対象外とされていましたが、課税当局による把握が困難なことから、逆に国外財産調書制度の対象に追加されました。

2013年1月30日 (担当:平野和俊)

 

ページトップへ