2011年11月 1日
海外移住に伴う自社株の処分 ~三角合併を活用した外国株式への転換~
最近、日本を離れ、海外へ移住する富裕層が増えているというニュースをしばしば耳にします。親子で海外に移住し、5年超経過すると、日本国外に所在する財産については、日本の相続税・贈与税は課税されません。移住先が相続税・贈与税のない国・地域であれば、一切の課税を受けずに財産を子孫に残すことができます。
ポイントとなるのは財産の所在です。預金であれば海外送金してしまえば国外財産に転換することができますが、自社株の場合、一筋縄ではいきません。株式を発行する法人の本店所在地で国内財産/国外財産の判定を行うため、日本法人の株式は国内財産となり、日本で相続税・贈与税が課税されてしまうためです。
このようなケースで活用が見込まれるのが、クロスボーダーの三角合併です。日本法人A社の株式を国外財産に転換したい場合、下図の様に、①海外に親会社Pを設立、②その100%子会社Bを日本に設立、③B社がP社株式を取得、④B社が元からあるA社を吸収合併し、A社の株主に合併対価としてP社株式を交付、という手順を踏むことで、株主が所有する財産を国内財産であるA社株式から国外財産であるP社株式に転換することが可能となります。
三角合併に事業上の必要性がない場合には租税回避と認定され、予期せぬ課税が発生する可能性がある等、実行にあたっては、国内・海外の会社法・税法等を慎重に検討する必要がありますが、海外移住を計画されている方で国内に会社をお持ちの方にとっては一考の価値があると思われます。
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