2010年10月 5日

親会社への配当は交付財産次第で源泉徴収不要に

 子会社が親会社に配当した場合には、子会社で源泉徴収義務が生じます。これまでの常識です。ところが、平成22年10月1日以後に100%子会社が親会社に対して金銭ではなく、「金銭以外の資産」により剰余金の配当を行った場合には源泉徴収義務は発生しません。

 これは平成22年度の税制改正において、100%子会社の親会社に対する「金銭以外の資産」による剰余金の配当は、組織再編行為の一形態として適格現物分配に該当し、源泉徴収の対象となる配当所得からは除外されることとなったためです。そして、この場合における金銭以外の配当財産は簿価引継ぎとされ、譲渡損益課税が行われることはありません。

 これにより、100%子会社が親会社に対して配当する場合に、あえて金銭以外の国債や上場株式を配当財産とすることにより源泉徴収不要とし、親会社の資金効率を高めることが可能となりました。まさか日本国債消化促進策ではないと思いますが・・・。

2010年10月5日 (担当:桑田洋崇)

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