2009年11月25日
消費税還付スキーム封じの消費税法改正が不動産流動化案件に与える影響
本日付UAPレポート「平成22年度税制改正で対処?~自動販売機を使った賃貸マンションの取得に係る消費税還付スキーム~」の通り、平成22年度税制改正において自動販売機等を活用した消費税還付スキームが封じられる可能性が高くなってきました。この場合において、同レポートが仮定する通りの抜本的な消費税法改正が行われると、不動産流動化案件に多大な影響を与えることが予想されます。
多くの不動産流動化案件では、設立第1期にSPCが課税事業者を選択し、課税事業者として建物消費税の還付を受けます。更に、簡易課税を選択した第2期または第3期に土地建物を売却して、預り建物消費税の4割だけを納税します(みなし仕入れ率60%)。残りの6割はいわゆる益税として事業利益を構成し、投資家に分配されます。これ以外にも、課税事業者の選択を取りやめることができる第4期に免税事業者となり、建物消費税の全額を益税とできる場合もあります。
ところが、同レポートが仮定する通りに消費税法改正が行われると、第4期までは簡易課税や免税を選択することができなくなり、益税が発生しなくなります。会計検査院が指摘した消費税還付スキームに係る納付漏れ税額は6億3,041万円とのことですが、SPCによる建物消費税の益税額はケタ違いですから影響大です。
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