2007年10月25日

適格機関投資家の範囲拡大はTMKスキームには適用せず~租税特別措置法施行規則の改正より~

財務省は平成19年9月27日付にて租税特別措置法施行規則等の一部を改正する省令を公布しました。これによりますと、TMKスキームにおけるペイスルー要件に係る適格機関投資家の範囲は、金融商品取引法において拡大された適格機関投資家の範囲ではなく、租税特別措置法施行規則第22条の18の4に規定する範囲に限られることが分かりました。租税特別措置法施行規則第22条の18の4に規定する適格機関投資家の範囲(抜粋)は下記の通りです。

  1. 第一種金融商品取引業者(有価証券関連業に該当するものに限る。)又は投資運用業を行う金融商品取引業者
  2. 投資法人、外国投資法人、銀行、保険会社、信用金庫、農林中央金庫、商工組合中央金庫、日本政策投資銀行、投資事業有限責任組合など
  3. 有価証券報告書を提出している者で、当該届出を行った日以前の直近に提出した有価証券報告書に記載された当該有価証券報告書に係る事業年度及び当該事業年度の前事業年度の貸借対照表における有価証券の金額の合計額が100億円以上であるもの

特に注目されるのは、金融商品取引法において範囲拡大された一般法人の有価証券残高基準10億円以上が適用されずに、従来基準の残高100億円以上とされていることです。

金融商品取引法の施行により再注目されているTMKスキームですが、ペイスルー要件のために特定社債を銀行に引き受けてもらう必要があるという前提は従前と変わらないということです。

2007年10月25日(担当:平野和俊)

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