2005年1月25日
日本版LLPや合同会社は流動化SPVとして活用できるか
経済産業省が平成17年2月を目処に通常国会に提出する予定のLLP法案(仮称)により日本版LLP(有限責任事業組合)という新たなパススルー・ヴィークルが誕生します。また平成18年4月1日からの施行が見込まれている新会社法により合同会社(日本版LLC)という新たなヴィークルが誕生します。これらは米国におけるLLPやLLCのように流動化SPVとして活用される可能性はあるのでしょうか?
まず日本版LLPについては、「全出資者が何らかの業務執行に参加しなければならない」ことが義務づけられるようです。つまり単にLLP事業に投資だけ行う出資者は認められません。通常、流動化に係る投資家が業務執行に参加することはありませんので、この点だけとっても日本版LLPを流動化SPVとして活用できる可能性はありません。
一方合同会社の課税上の取扱いは法人課税が適用されるであろうと言われています。合同会社でパススルー課税(構成員課税)を認めると、合名会社や合資会社の法人課税を見直す必要があるためのようです。法人課税されるのであれば流動化SPVとしては失格です。将来の可能性までは否定しませんが、当面の間合同会社を流動化SPVとして活用することは難しそうです。もちろん、合同会社を営業者とする匿名組合という形なら可能でしょうが、これでは何のための合同会社かよく分かりません。
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